| ヘアレスマウス Hos:HR-1 |

▶ 正式名称
Hos:HR-1▶ 特徴
毛を剃る必要がなく、皮膚を傷つける心配がないため、皮膚の研究に最適な動物です。ヌードマウスとは異なり免疫機能が正常なため、一般的な飼育施設(コンベンショナル施設)でも飼育が可能です。▶ 生態
通常のマウスと同様に被毛がありますが、2週齢頃から始まる「セカンドヘアサイクル」の異常により、頭部から毛が抜け始めます。4週齢頃には全身の毛が抜け落ち、その後は再び生えることはありません。▶ 毛色
アルビノ▶ 遺伝的特徴
Hrhr/HrhrHr遺伝子 (第14染色体)のintron 6 にinsertion mutation [1]
▶ 由来
1968年、Temple University Skin and Cancer Hospitalは、Sandra Biological Supply社から毛の生えないマウスを入手し、CBAマウスとの交配によって「Skh:HR」系統を作出しました。この系統は当初、さまざまな毛色を示していました。1987年、(株)星野試験動物飼育所は、クローズドコロニーで維持されていたSkh:HRの中からアルビノ個体のみを選抜し、SPF化を行いました。その結果として確立されたのが、現在生産・供給している「Hos:HR-1」です。▶ 使用目的
① 紫外線による皮膚癌及び光発癌性の研究② 紫外線吸収剤に関する研究
③ 経皮吸収試験
④ 皮膚刺激性試験
⑤ 乾燥肌 (ドライスキン) ・シワ様皮膚疾患を発症するモデル動物(HR-AD飼料)
⑥ ヒトのアクネ菌による炎症性ニキビを発症するモデル動物 [2]
⑦ 光皮膚小核試験、光遺伝毒性の検出 [3]
⑧ 蛍光生体イメージング [4]
⑨ オボアルブミン (OVA) 投与による喘息モデル [4]
▶ 販売性別
オス・メス▶ 権利
株式会社星野試験動物飼育所▶ 使用条件
①同系統及び他系統への繁殖に使用することを禁止します。②他機関への分与することを禁止します。
| FAQ |
▶ Q. 使いやすい性別や週齢について教えてください。
ヘアレスマウスは主に皮膚を利用する実験に用いられるため、ファイティング(闘争行動)の少ないメスの使用を推奨しています。週齢については、4週齢前後ではイボや発疹が生じることがあります。これらの症状は多くの場合自然治癒しますが、6週齢以降では発症頻度が著しく低下します。また、ヘアレスマウスは3〜4週齢にかけて生理的な脱毛が起こり、抜けた毛が眼内に入ることで、多くの個体で角膜の損傷や軽度の白濁がみられます。これも通常は5〜6週齢までに自然治癒します。
以上の理由から、メスについては、皮膚状態が安定し、ファイティングも少ない6週齢以上の購入を推奨いたします。オスについては、イボ等の発症が少なく、かつファイティングのリスクが比較的低い6週齢での購入を推奨します。ただし、7週齢以上になるとファイティングの発生頻度が高まるため注意が必要です。
▶ Q. 細かい産毛が生えてきましたが、異常なのでしょうか?
ヘアレスマウスでは、6~7週齢前後のヘアサイクルにおいて一時的に産毛が生えることがありますが、これは約1週間ほどで自然に抜け落ちます。その後、毛が再び生えることはありませんので、実験には支障なくご使用いただけます。▶ Q. 目に傷があるのですが、異常なのでしょうか?
目の損傷は、目に混入した異物による刺激や痒みに伴って掻いてしまうことが原因として考えられます。ヘアレスマウスでは、3~4週齢にかけて生理的な脱毛が起こるため、抜けた毛が眼内に入ることがあります。その結果、多くの個体で角膜に軽度の損傷や白濁がみられます。これらの症状は5~6週齢までに自然治癒します。そのため、4週齢以下で納品した場合には、目が開いていない個体や角膜に傷を有する個体が含まれる可能性があります。目の状態を重視される場合は、5週齢以上でのご注文を推奨いたします。
▶ Q. 無菌のHR-1を使用したいです。
本製品の作製は三協ラボサービス株式会社で対応可能です。詳細につきましては、三協ラボサービス株式会社までお問い合わせください。▶ Q. Hos:HR-1の皮膚及び皮下組織の厚さはどれくらいですか?
本系統(Hos:HR-1)の腹部皮膚(whole skin)の厚さは、約227 µmと報告されています。また、角質層(stratum corneum)の厚さは、約29 µmとされています。 [5]▶ Q. 高週齢のHR-1を使用したいです。
誠に申し訳ございませんが、現在は販売しておりません。
61週齢 (約14ヵ月齢) メス

67週齢 (約15ヵ月齢) オス

128週齢 (約29ヵ月齢) オス
| 引用文献 |
[2] Jang, Y. H., Lee, K. C., Lee, S.-J., Kim, D. W., & Lee, W. J. (2015). HR-1 mice: A new inflammatory acne mouse model. Annals of Dermatology, 27(3), 257–264. DOI
[3] Hara, T., et al. (2007). In vivo photochemical skin micronucleus test using a sunlight simulator: Detection of 8-methoxypsoralen and benzo[a]pyrene in hairless mice. Mutation Research, 631, 1–8. DOI
[4] 岩下 淳, ほか. (2017). 喘息モデルマウスを用いた蛍光生体イメージング. 秋田県立大学ウェブジャーナルB, 4, 55–61.
[5] 引間 知広 & 東條 角治. (2000). 薬物の皮膚透過および皮膚内代謝活性のヘアレスマウス系統による差異. Drug Delivery System, 15(3), 203–207. DOI
